営業なくして事業なし。営業部はなくても、営業マンはいなくても、営業機能のない会社はない。その営業現場が、顧客やマーケットとの接点であり、社内の業務プロセスの起点となる。ここが見えなくてよいはずがない。営業が見えないとは、すなわち、顧客が見えないということであり、マーケットニーズを見失っているということでもあるのだ。
だから、「営業の見える化」は、社長や営業部長に見えればよいのではなく、全社に見えなければならない。顧客を起点とする事業活動のためには、非営業部門からでも、営業が見える必要がある。
「営業の見える化」は、社長や営業部長が営業マンを監視するためのものではなく、全社に顧客を見せ、市場に向き合わせるためのものなのだ。
営業の見える化
本書は、一番見えにくい営業部門を結果である営業成績で見える化するのではなく、 あくまで営業プロセスを見える化する実践手法を分かりやすくご紹介しています。
「営業の見える化」では、営業プロセスを標準化し、ロールプレイングを通じてノウハウ・ナレッジの共有化を図ります。 加えて、ITを活用して日報にデータを蓄積し、顧客データベース、競合データベースのダムを造っていきます。工程を平準化し、属人的なノウハウを表に引き出し、見える化して、部門全体の営業成績の底上げを行ないます。
営業部門は、多くの矛盾を抱えている部署であり、営業という仕事は、あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たずとなる矛盾に満ち溢れた職業です。
ということは、この矛盾を解決することができれば、この矛盾を乗り越えることができれば、大きな成果を生むことができるということでもあるのです。
私自身が入院したとき、「営業の見える化」によって、病室で営業の実態を把握でき指示がだせたことで、いつでも安心して入院できる体制になったと確信した。後日談だが、社長が入院していることに気付いていない社員もいた・・・。
地方から東京進出した際に、地元でお世話になっている顧客の東京支社や出先営業所に新規アタックし、初動の売上を確保できた。「営業の見える化」によって、過去の商談履歴も容易に確認できるので、新規アタック時の警戒感が低くなった。
「営業の見える化」をサービス部門も含めて推進したところ、修理担当者がお客様からポロっと言われた一言を営業マンがキャッチできるようになり、タイムリーに営業提案ができるようになった。
「営業の見える化」で、特に売り場を作った際の写真を添付して「見える化」している。これによって誰がどのような売り場を作っているかが分かり、「自分が担当しているロードサイド店もこの写真のお店と似ているから、今度行った時に店頭演出を申し入れてみよう」という動きが促進され、顧客であるスポーツ用品店に喜ばれている。
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